2006-01-01から1年間の記事一覧

Nina Simone and Piano(Nina Simone)

のっけから非礼を承知で申し上げますが、只ならぬレベルでピアノがお上手です。私自身は、吹けば飛ぶどころか消えるような素人なので、独りで勝手に脅えているようなものなのかもしれませんが、クラシカルな修練や素養が背景にビシビシと感じられるピアノ演…

Stay(Bernard Butler)

ピアノのことを深く知っているわけでは全くないことをお断りした上での物言いですが、Bernard Butlerさんの弾くピアノが好きです。 この方のピアノの使い方は非常に簡潔で、ちょっとしたタイミングで挿入されるフレーズを爪弾いているだけというケースが大半…

銀幕演歌

その昔。まだ私のケツが青かった頃。私はカラオケというものを憎悪しておりました。何はともあれ、自尊心にかけて、人前で熱唱するような真似ができてたまるか、と。 好きな曲であればあるほど、カラオケで歌っては汚されるような思いがしていました。David …

ザ★ベスト(キャロル)

「半額」シールが張られた商品を探し当てるべく、いつものようにスーパーマーケットでチャネリングをしておりました。ここのところ嫌に目に付くアイツがまた視界にアプローチ。 『豆腐屋ジョニー*1」』 ゴミのような値段で売られている充填式の絹豆腐が専ら…

キャノンボール2(Hal Needham)

前回から引き続きバカ映画をご紹介。 昔も昔、ワタクシが中学3年生の頃だったか、奥歯と奥歯がカチカチと音を立てるぐらいに寒かった夜のこと。溜まり場となっていた友人宅を出て体をガタガタと震わせながら、コンビニにおでんを買いに行く道中のこと。溜ま…

Kingpin(Bobby Farrelly, Peter Farrelly)

私の愛するバカ映画群の中でも「とりわけバカ」な本作のことを思い出す度に、口元が緩むような、下顎の奥のほうが酸っぱくなる様な気持ちになります*1。本作の主人公はプロボウラーですが、多少下品な内容に目をつぶることさえ出来れば、ボーリング愛好者で…

Burning Wheel(Primal Scream)

「曲名を付けた段階で作曲作業の8割は終わっている」 …とはギターウルフ・セイジさんの名言ですが、ひとまずはその名前だけで途方も無く格好いい曲は確かにあります。斯く言うセイジさんの命名した曲達は、確かにキリリと締まったいい面構え(名前)ばかりで…

Gets Next to You(Al Green)

なんつう表情でしょう。ジャケだけで圧勝。お召し物も完璧です。 ウルフルズのトータス松本もカバーしていた名曲"Tired of Being Alone"でのGreenさんの歌唱は心に滲みます。後に、何らかの理由で怒り狂った女性に煮えたぎった鍋の中身*1を、こともあろうに…

Anthology(John Lennon)

昭和62年(1987年)のことですから、現在から時をさかのぼること約20年。教祖・内田裕也氏が東京都知事選挙に出馬いたしました。 「パワー・トゥー・ザ・ピーポー♪ パワー・トゥー・ザ・ピーポー♪」 とJohn Lennonの歌でいきなり始まった氏の政見放送には度…

Tutti Frutti(Dragibus)

赤面レベルに月並みな言い方をしますが、おもちゃ箱をひっくり返したような音楽です。 一体全体どなたの差し金なのやら及びもつきませんが、その昔に堺正章が唄った、山下毅雄のペンによる名曲『涙から明日へ』がカバーされており、また、そのアレンジといっ…

Justice for All...(Metallica)

まだ幼かった頃、「指揮者」って必要ないんじゃないかと思っていました。 指揮者のいないオーケストラの演奏を放映して、指揮者がオーケストラにおいて果たす役割を説明してくれたのは、確か所ジョージの番組だったような記憶があるのですが、曲りなりに楽器…

give out but don't give up(Primal Scream)

今年6月にはリリースされると言われる新譜が、かなりハンドメイドなロックンロールに仕上がっているとの情報*1を得て以来、Primal Screamについて個人的に心がかなり盛り上がっている*2ので、今更感の強く漂う本作を勢い余ってご紹介申し上げます。 それはそ…

Murder Ballads(Nick Cave and The Bad Seeds)

本作のテーマはずばり「殺人」です。 ある人(ビリーさんやバーテンダー)は射殺され、ある人(イライザさん)は石で撲殺され、ある人(ヘンリーさん)などは刺殺された上に深い深い井戸に放り込まれ、と、ともかく続々と人が殺されていきます。 そんなアル…

岸和田少年愚連隊(井筒和幸)

「番長」清原和博を輩出した街、岸和田。西原理恵子女史が愛を込めて「発展は無い」と断じた街、岸和田。アドレナリンの街、岸和田。そんな岸和田を舞台にした青春物語です。 ナインティナイン矢部氏の出来上がりが素晴らしいです。ウッチャンナンチャンの内…

Wheels of Fire(Cream)

PRIDE(格闘技イベント)でのドン・フライと高山善廣との一戦をご覧になったことがありますか? 完全ノーガードの*1ガチンコパンチの応酬。あそこに利害があったとするならば、恐らく互いの意地だけだったでしょう。最初に見たときは大爆笑しましたが、後々…

Chelsea Girl(Nico)

Velvet Undergroundの有名な「バナナのアルバム」では、 「ヒィィァ〜・シー・コゥ〜ムス♪」 と、欧州風英語をドスの効いた低音で歌っておられたNicoさんですが、ソロアルバムになるとアンニュイ度は更に倍増致します。まずもって、このジャケットの表情をご…

Californication(Red Hot Chili Peppers)

John FruscianteがChili Peppersに復帰したということを最初に聞いたのは、1998年でしたか、Tibetan Freedom ConcertにChili Peppersが突如として出演したことが切っ掛けでした。 ん?Dave Navarroが脱退したんじゃなかったっけ…?と思ったら、どよ〜んと暗…

All That You Can't Leave Behind(U2)

前作[http://d.hatena.ne.jp/Baka_in_Black/20060221/1287658709:title="POP"]がけっこう叩かれて、ライブステージの演出コンセプトも行くところまで行ってしまった感のあった当時のU2。"Passengers"という別名義で実験作気取った作品をリリースしてみたもの…

Original Soundtrack 1(Passengers)

「映画のないサウンドトラック」 という、よくよく考えると騙されているようなコンセプトで制作された(というような記憶がある)本作。基本的にはU2の皆さんの作品ですが、実質的な首謀者はU2の技術部門を一手に掌握しているThe EdgeさんとBrian Enoさんの…

Unforgettable Fire(U2)

"Pride (in the name of love)"や"Bad"といった中期U2の名曲が収録された名作です。特に"Bad"は個人的にツボに嵌る曲でして、ライブ演奏を聴いたりした日にゃ、感涙落ち零れることもしばしばです。 ところで、アイルランドの古城で本作を録音中のU2組一同の…

Guitarhythm Wild(布袋寅泰)

最近、ホウレンソウ切ってて自分の指を切った自分のことは棚に上げて、サンドウィッチ切ってて自分で指切ったNeil Youngのことを笑っていたのですが、布袋先生もさすがにWild。けっこう頻繁に負傷してこられた気がします。 転んで頭蓋骨を骨折したってのがや…

SPIKE(パフィー)

スプリング・ハズ・カム。今年も春がやってまいりました。 春、それは出会いの季節。春、それは別れの季節。そして春、それは変質者の季節*1…。 それは私自身の境遇とて例外ではありません。別れがあれば、出会いもありますし、とにもかくにも満開の桜を目の…

みんなのジュンレイ(ASA-CHANG & 巡礼)

ハナレグミの永積氏や小泉今日子さんといった豪華ゲストを迎えた他の楽曲を尻目に、作った当人自らが 「落とし穴というより逆バンジー」 と評する『日の出マーチ』が文字通り驚愕の出来となっております。前後の文脈ナシに聴くと、自分の耳がどうにかなって…

Best - Sherlock Holmes Meets The Punkenstein Monster(Thee Headcoats)

Thee Headcoatsの皆さん、リキッドルームでのライブでヴォーカル以外はPAを通してなかったそうです。*1 システムやエンジニアとの相性というような事情もあったのかもしれませんが、何はともあれ、正にパブロックバンドのアティチュードの真髄のまた真髄を過…

Fire and Water(Free)

Queen絡みでは、八つ当たりで悪者扱いしてしまったPaul Rodgersさん(ジャケット左から2番目)さんですが、元来は良い歌い手さんです。特にこのFreeというバンドに居られた頃のお仕事には感服いたします。 ところで、Chris Speddingさんの作品に、歴代の名ギ…

チョコレート工場の秘密(Roald Dahl、田村隆一)

読書とはほぼ無縁な少年時代を送っておりましたのに、この本だけは何度も何度も読みました。 何が気に入っていたのかはいまだもってよく分かりませんが、ファンタジックな世界観と、次から次へとハプニングが勃発する騒がしさと、そして、何よりも貧乏人がの…

増殖(Yellow Magic Orchestra)

ジングルに乗せて、やおらグルグルと流れ出す希代の名曲"Nice Age"に注目。 まずは歌詞。 Chris Mosdell氏によるものですが、"Her toys are broken boys"という歌い出しや「彼女は妙齢」と繰り返すサビの得も言われぬ質感は、テクノサウンドのSF感云々を遥か…

O.P.KING(O.P.KING)

そもそもサントリーの宣伝の為なのか、Chuck Berryの前座の為なのか。何にせよ結成の動機に不純なものが見え隠れするバンドです。メンバーの皆様方、各々の売り上げの差こそあれど基本的にプロフェッショナルであられますので素人の話と比べるのも何ですが、…

eb - esrevnoc better(esrevnoc)

『タモリ倶楽部』に次ぐ癒し系番組『あしたまにあ〜な』の放送が実は終了していたことに今日気付きました。 行きつけの飲み屋のカウンターで赤ら顔になりながらいつもニコニコ笑っていたあの爺さんが、暫く顔を見ないと思ったらお亡くなりになっていた、とい…

Leon(Luc Besson)

作風は懸け離れておりますが、「日本人好み」度では以前にレビューを書いた「コマンドー」に肉薄している模様です。 一時はともかく頻繁にテレビで放映されておりましたので、たまたま目にすると何に感心させられるって、Sting(主題歌担当)の音楽って何だ…