Stay(Bernard Butler)

ピアノのことを深く知っているわけでは全くないことをお断りした上での物言いですが、Bernard Butlerさんの弾くピアノが好きです。


この方のピアノの使い方は非常に簡潔で、ちょっとしたタイミングで挿入されるフレーズを爪弾いているだけというケースが大半を占めるのですが、それらのフレーズのキャッチーさたるや尋常ではありません。

思えば、David McAlmontさんと組んだ作品においても、随所に印象的なピアノ*1が入っておりましたが、彼と袂を別った後にリリースされたソロとしての最初のシングルとなった本作"Stay"を最初に聞いたときも、ゆったりしたギターのコード進行を引き締めるようにコロコロと鳴るピアノにまずは魅せられたものです。誠に勝手ながら「もう間違いない」と思いました。


退廃的なピアノのリフを背骨にしてその周辺でビービーと鳴るギターやらオルガンが血となり肉となっているのが2曲目"Hotel Splendid"*2。3曲目”The Sea"に至っては、ピアノの弾き語りです(途中からオーケストレーションが入ってきますが)。


クラシック・ピアノにもジャズ・ピアノにも特に造詣が深くない、という意味でワタクシは少々特殊なピアノ好きではあるかもしれません。

ただ、ロックミュージックのギターから見て、延長や好対照としてピアノを弾くということの楽しさをBernard ButlerさんやU2のThe Edgeさんから教わりました。考えても見ればピアノだって弦楽器なわけですから、原理的に至極納得の行く話なのですが、かっこいい音を放射するギタリストの皆さんは得てしてピアノを弾かせても絵になるものなのだというのが、世間一般の相場のようだと、自分には思えます。

Stay

Stay

*1:特に印象的だったのは4曲目"Although"。

*2:あのEdwyn Collins先生がバックコーラスで御吼えになっている。