Wheels of Fire(Cream)

PRIDE(格闘技イベント)でのドン・フライ高山善廣との一戦をご覧になったことがありますか?


完全ノーガードの*1ガチンコパンチの応酬。

あそこに利害があったとするならば、恐らく互いの意地だけだったでしょう。最初に見たときは大爆笑しましたが、後々見ると、神々しくすらあります。 *2


格闘技好きの皆さんには、お前に何が分かるのだ、と云われてしまいそうですが、そんなコアな格闘技ファンの皆様の中で、ロック・ミュージックにさして興味のないというお方には本作収録の"Crossroad"を是非お聴き頂きたい。

Eric ClaptonJack BruceGinger Bakerといった猛者ども*3が、ステージ上でそれぞれの楽器を駆使したノーガードのガチンコパンチの応酬を繰り広げております。


時に相手を立て、時に自分が光るのがトラディショナルなプロレスだとするならば、そんなルールを一切無視したのがあの時の高山、フライ両氏であったのかもしれません*4

一方で、バンドの治安維持や音楽としての完成度のために基本ルールを遵守しよう、という心配りのようなものがCreamのお三方から微塵も感じられないのは、とても雰囲気として似ている気がします。


Claptonのギターソロ凄ぇ…と思いつつ、よくよく聴いてみるとその背景でJack Bruceもベース・ソロ状態。格闘技にせよ音楽にせよ何にせよ「なんでもあり」が必ずしも面白いわけとは限りませんが、高山とフライとCreamは別格だと思います。


Wheels of Fire

Wheels of Fire

*1:ノーガードどころか互いに片手で相手の頭を固定したまんま。

*2:転載時補足:Youtube発見。「パンチ祭り」という題名が笑える。音が出るので注意。

*3:それも三人ともそこそこ若く、大人気ない盛り。

*4:正確にはあれはそもそもプロレスではなかったんだろうが。