SPIKE(パフィー)
スプリング・ハズ・カム。今年も春がやってまいりました。
春、それは出会いの季節。春、それは別れの季節。そして春、それは変質者の季節*1…。
それは私自身の境遇とて例外ではありません。別れがあれば、出会いもありますし、とにもかくにも満開の桜を目の当たりにして例年通り変質者的に取り乱しております。この桜という花が持つ覚醒効果は私にとって実に実に強烈なもので、目の当たりにすると、甘い気持ちが胸に一気に充満して、発狂するかと思うぐらいに気分が昂揚します。
ところで、どこのどなただったか、ボケ担当のキザで甘ったるい語りに「あま〜い!!」という突っ込みを入れる、という構図のネタをやる芸人さんが居られた気がします。
彼らのネタそのものは別にどうでもいいのですが、Puffyの本作、つくづく「あま〜い!!」です。桜咲き乱れ、遠くから眺めるとピンク色の毛虫のような状態になっている外堀通りを自転車で往きながらiPodで本作を聞いておりましたら、「あま〜い!!」というフレーズが脳内連呼状態に陥りました。つくづく春という季節との食い合わせの良い好盤ですので、ここにご紹介いたします。
2曲目の『すみれ』から「あま〜い!!」連呼開始。
10曲目に至っては、その名もずばり『さくらの花が咲く甘い甘い季節の唄』。曲名になってるんだから、そりゃ「あま〜い! !」ですわ。パフィーのお二人のうち、より一層に唄の下手な方(吉村由美さん)のヴォーカルによるものですが、それでもなお、もう、半端なく甘いです。
本作が何ゆえコレほどまでに「あま〜い!!」のか。それはAndy Sturmerという男の仕業です。
以前ご紹介したImperial Dragというバンドのメンバーと同じく、彼もまたJellyfishの死骸から漂流してきた方で、母体よりも多少ロックバンド的な風合いが強くなったImperial Dragに比べると、Jellyfish時代の甘い風合いを色濃く残した名曲を沢山お書きです。思えば前作収録の『たららん』も彼の作品でした。あれも実に甘かったですが、本作での甘さ大爆発の伏線だったのですね。
そんなこんなでAndy Sturmerさんの素晴らしいお仕事が堪能できる本作ですが、一方で奥田民生氏の存在がやはり重要だと思い直さざるを得ません。それは、彼のコミットメントがだんだんと薄まっているように思える本作以降のPuffyの音楽にはどうも引っかかるものがないような気がするからです。カバーアルバムは除いてあんまり本腰を入れて聴いていないのは私の怠慢でしょうか。
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- 発売日: 2000/10/12
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