Squeezin' & Blowin'(吾妻光良&The Swinging Boppers)

以前、別のレビューにFaith No Moreのギタリストの風貌に衝撃を受けたということを書きました。ハゲと長髪の組合せに受けた衝撃について。

そういう意味では、このアルバムを作った吾妻光良というオッサンも負けたものではありません。一時の風貌は言葉では形容し難いものがありました(それでいて日テレ系の会社の社員らしい)*1


音楽のジャンルで言うと、ジャンプ&ジャイブだとか、ブルースだとかいう風にカテゴライズされるのだと思います。

とりわけブルースについては、日本人のミュージシャン(それもある世代以上)を経由すると、どうも過度に演歌臭くなってしまったり、ヒッピー臭くなったりするのが正直絶えられないことが多いのですが、このオッサンのやる音楽とその歌詞にはなかなかにうならされます。

なんせ、そこに込められる感情が「やっぱり肉を食おう」だったり「嫁が里帰り中なもんだから好きに飲んで帰りにゃAV借りちまおう」だったり「あの中年女性にたまに見られる刈上げの後頭部っていったい?」だったりと、兎にも角にも日常的なのです。

テーマが日常的であればそれで良いというわけでもありませんが、そのアメリカ音楽の翻訳センスの良さは、スタンダードナンバー"Baby, It's Cold Outside"で見せる服部恭子さんとの掛け合いにも如実に現れています。

なんせタイトルからし


表寒いよね


ですから。簡単そうに見えて難しいことだと思います。


SQUEEZIN’&BLOWIN’

SQUEEZIN’&BLOWIN’

*1:転載時の補足だが、社員どころか子会社社長を経て現在は本体の執行役員だそうな