きょうのごはん(大田垣晴子)

レシピの類いを読むのは好きですが、あまりそのまま参考にすることはありません。

かったるいからです。

そういう方には本著をお勧め致します。


3本の別連載を安直にまとめただけ、ということで、全うな神経で見れば呆れてしまいますが、そんな適当さを笑って許したくなるようなチャーミングさが感じられる一冊です。

何せ、材料の分量に


「米2合、グリンピース いっぱい、しお てきとう、酒 少々」


とだけ書いて終わらせたりしてますから、「チャーミング」と言うより「蛮勇」と称するべきかもしれませんが。


それだけじゃ、いわゆるイロモノだと思われてしまいかねませんが、そんなテキトーな上っ面とは裏腹に、食事にまつわる憤りを的確かつユーモラスに*1投げかけ、標的を糾弾いたします。「楽しくアグレッシブに在る」というのは簡単なことではありません。


漫画家さん(?)であることもあり、イラスト付きで端的にメッセージがまとめられているのは、かったるいのが何より嫌いな自分にはモッテコイでありました。

まして直前に読んだパラダイス山元さんの餃子本が煮ても焼いても喰えない駄作だっただけに*2、本著には余計に心癒されたと感じたのかもしれません。


きょうのごはん (ダ・ヴィンチブックス)

きょうのごはん (ダ・ヴィンチブックス)

*1:少なくとも自分は幾度となく膝を打ち、爆笑した。

*2:一部不愉快なまでに感じたのは、結局、彼がユーモアのセンスを欠いているからではなかろうか。箸の持ち方が汚らしかったことも無縁ではないと思う。