Friends & Lovers(Bernard Butler)
年始恒例の麻雀マッチ。綱島の雀荘に集まったのは結果的に5人。
半荘ごとに1人が抜ける、そのタイミングが自分に回ってきた際に綱島の街を散策しておりました。
中古ソフト屋を覗くと、叩き売りされている音楽が。
ほほう。SADEの1992年の名作が100円。頂こうか。
なんと。このReefのシングル盤のなんたるショボさ。開封しないとB面に何と言う曲が入っているか分からんではないか。これも頂こう*1。
そういった形で、過去に量産された駄作の数々に潜む、迷える名作を愛でておりますと、必ずやこのBernard Butlerという方の作品に出くわします。
それは必ずしもhappyな出会いではなく、むしろ憂いや哀れみを多分に含んだものであると言わざるを得ません。彼の作品が売れていないのもまた彼の誇りの現れだというのは簡単ですが、言い換えれば,自業自得以外の何でもない、とも思えます。
ピンのミュージシャンとしての2作目、勝負作に当たる本作の冒頭を飾るタイトルトラックをまずはライブ演奏でお楽しみ下さい。
Bigsbyアームで震えを加えられたGibsonのセミアコFuzzサウンドにギター好きならきっと胸がときめきましょう*2。
この曲なんか、頼りないVocalも相まってか青臭くも凛とした名曲であると、思われ・・・いや、思って頂けませんでしょうか*3。
これだけ褒めといて何が「自業自得」かと言えば、このバックバンド。
地味過ぎです。
もう一人のギタリストとベーシストの方。
あまりに着実に擬態(バック演奏)をされるので、Bernardさんのいつもの独り善がりなプレイの背景に完全に埋没して、存在をすっかり忘れておりました。
プレイそのものに派手さが無く、どうかしたらウダツが上がらないとも取られかねないドラマーさん。
アジア人(それも日本人)であるということを全く押し出す事はありませんでしたね。
極めつけはキーボードのオッサン。
気持ち悪過ぎますね。
秋葉原界隈で、年始から福引きでアイドルの生衣装を取り損ねてリアルで地団駄を踏んでそうなオッサン。浦沢直樹の描きそうな安易なキャラ。いくら腕が良いからって、このオッサンが真っ黒くて剛々しい直毛を振り乱して一生懸命コーラスで歌っている様を観たら皆、ドン引きでしょう。実際にライブでお会いした自分はドン引き致しました。
それもこれも、営業戦略を全く重視しなかったBernardさんの所為と言えましょう。
ただ、そういったメンバーを集め、ともに創作した結果としてこうした素晴らしい音楽が出来上がったというのもまた、Bernardさんの功績。彼のソロアルバムが結局本作以降出ていない上に、バンドらしいバンドも今ひとつ*4と来たら、結局、彼のような人材はプロデューサーとして生きていくのが一番生き易いのかと考えざるを得ませんが、それはそれで少々寂しい気持ちになるのでありました*5。
もう2008年が始まったというのに、何をこんな時代錯誤な作品を取り上げているのか、と自分でも思いますが、こうやって天の邪鬼な振る舞いを今年も続けていこうと思います。宜しくお願い申し上げます。
- アーティスト: Bernard Butler
- 出版社/メーカー: Creation
- 発売日: 1999/10/27
- メディア: CD
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*1:結局このシングル盤に入っていたB面の2曲は既にうちのiTunesに入っていた。この虚しさにもだえるマゾ気質が自分から消え失せて久しい。
*2:自分としてはJohnny MarrよりもBernard Butlerの方が実は好きだったりする。Johnny Marr、というよりThe Smithの本当の良さが分かっていないだけだろうと思うが、なんだかんだ言っても独り善がりなギタリストが嫌いになれない、ということの方が要因としては大きいんだろうと思う
*3:第三者的には「必死だな」とでも切り捨てたいような様相。ちなみにこのYoutubeの動画を視聴して、自分としては新年早々から心に火が着いた。
*4:Brett Andersonと再び組んだTearsは自分的には好きだったが、あれがバンドだったかと言えば違うと思う。
*5:あまり知られていないが、彼はThe Liberteensのプロデュースなども行っている。