ジラシテ果実(田原俊彦)
田原俊彦さん*1のオフィシャルウェブサイト*2をたまたま拝見しました。
実質的に80年代育ちの自分にとって、彼は「テレビに出てる人」の中でも象徴的とすら言える存在だったと思います。
が、大人としての意識が形成され、彼のことを曲がりなりにも客観的に認識できるようになる前に、彼の姿はテレビから消えていなくなっていたのもまた事実。
90年代も半ばになって世の中に浸透したインターネットあるいはウェブサイトという概念と「田原俊彦」という存在とは、少なくとも自分の脳内では並存しない、全くもって交わらないものです。
そうであろうがなかろうが、眼前に「TOSHIHIKO TAHARA OFFICIAL WEBSITE」が存在しているのもまた現実。
こんな倒錯感は久々に味わいました。
実は以前にも、個人的にお世話になっているギター店の方から、田原さんにまつわる極上のエピソードを拝聴したことがあったにはあったのです*3。
それにしても、このウェブサイトから薫り立つ臭気。
ヘルプレス *4。
Michael Jacksonを見たときの胸がきゅっと締め付けられるような、そこはかとない悲しみのようなものが心の奥底で軽く疼くのを感じた瞬間でありました*5 。
「ラテン」だとか「エロい」だとか「ハウス」だとか、よりにもよって発表した本人が自暴自棄に評する60枚目のアニヴァーサリーシングル。これまた驚愕のジャケット。それだけでしばし言葉を失いました。
「ヘルプレス」はありますが、「プライスレス」ではありません。
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- アーティスト: 田原俊彦,Yusuke Toriumi,Gu Suyeon,Jun Suyama,Hiroki Hikami
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*1:敢えて「さん」付けしたくなった。それは「もはや公人という位置づけはできない」という意識の現われだと思う。残酷な話だ。
*2:こちら。奇跡のクオリティ。TOPページから末端に至るまで気恥ずかしい空気が充満している。個別の突っ込みどころを列挙すると、文字通り全てに言及する羽目になるので自粛。Victorレコードの業は深い。
*3:この名店では寺内"テリー"タケシ先生、田原俊彦さんのサイン色紙が飾りものの双璧を成している。
*4:この際なので所謂「プライスレス」の比較級上位をあらわす単語として提唱したい。
*5:「格」が違うことは承知の上だが、メディアに持ち上げられて未成熟な人格が暴発した、という意味で、二人は方向性を共有していると思えてならない。