〜歌芸の軌跡〜三波春夫全曲集(三波春夫)
ほんの些細なことではありますが、それを我慢しているような気分に勝手にずっと苛まれてきました。でも「苦言は呈した」という証跡をどうしても残しておきたくて此処にこっそりと書かせて頂くことといたしました。
ライブやコンサートを観に行く事を「参戦」と表現される方々がどうにも好きになれません。
要するに「何様のつもりなんだか」と思うわけです。
ライブやコンサートという空間の色合いを決定付ける要素に「観衆」が含まれていることは否定できません。増して、それらの人々が大小の金子を支払っているからには、それらの人々がそういった空間を「戦」と位置づけることも個々人の勝手ではあります。
でも、ですよ。
客の分際で少々図に乗り過ぎじゃないでしょうか。
建前なのか本音なのか、三波春夫さんは「お客様は神様です」とのご託宣を我々下民に御施しになりました*1 *2。
流石に三波先生もそこまでナイーブでは居られなかったに違いないと思って、この文句に込められた含蓄を読み取ろうと色々と考えるのですが、ワタクシのような俗物では、結局は安っぽいストーリーに終始してしまいます。
本作のジャケットのような満面の笑顔の裏で、実はその本意が
「俺は神様をお客さんにして歌ってるんだ」
というものだとするならば降参するしかございませんが、俗物の私には
「そのすべてを享受しようとする魂胆が嫌い」
との井上陽水さんの発言の方が「お客様」の本質を喝破している気がしてなりません。
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*1:この言葉を聞くと、むしろ、ステージに乱入した「お客様」にギターで殴りかかったThe Rolling StonesのKeith Richards大先生のことを思い出す。
*2:で、その光景を思い浮かべる度に、CX放映番組『寺内ヘンドリックス』における『キース・リチャーズ物語』での「なぜなら彼はキース・リチャーズ」という〆台詞を思い出す。「女と子供とブライアンには強かった」キース。