LIVE(AC/DC)

The Ramonesと並ぶ伝統芸能

膝をカクカクさせながら赤いSG*1を弾くAngus Youngは、よくよく観ると小汚いオッサン(しかもヒョロヒョロ)でしかないことは分かっちゃいましたが、最近のライブ映像を観てみたら遠目で観ても小汚いオッサンでした。


この21世紀に、そんな小汚いオッサン達が隙間だらけの音楽を延々演奏するだけでン万人もの観客を動員していることの摩訶不思議を考えると、AC/DCというバンドそのものよりも、そこに喜んで群がる人が確かに「それなりに、いや、かなり」居るという欧米社会そのものが不思議だという結論に達さざるを得ません。

「日本で『ヤンキー』と『ファンシー』が廃れることはない」というのはナンシー関の遺したテーゼですが、キリスト教ベースの肉食欧米社会においては、「悪魔風味」と「男根主義」が廃れない風流なのかもしれません…んなこたないか。


紆余曲折はあったのかもしれませんが、何処を切ってもAC/DC印が顔を出す金太郎飴ハードロックを縁の下で支え続けるMalcom Young(Angusの兄)はハードロック界の裏番として表彰される資格があると思います。Rockアイコンとして君臨し続ける弟(Angus)の功績も計り知れませんが、兄(Malcom)の功績に対して公的に敬意を表しているのは、今のところ、あのクソ渋いシグネイチャー・モデルを制作・販売しているGretsch社だけではないでしょうか。


この人たちは厳密にはベスト盤を出していない*2ので、代わりと言っては何ですが、名曲のオンパレード状態で思わず拳に力が籠もる本ライブ盤をご推奨致します。

ちなみに本作、基本的には2枚組みですが、貧乏なキッズ達向けに安価な1枚バージョンもリリースされています。それだけの侠気を彼らは持ち合わせているということです。


AC/DC Live: Collector's Edition

AC/DC Live: Collector's Edition

*1:ギターの一種

*2:キャリアの長さを考えるとその事実が或る意味で一番の偉業だとは思う。