Songs(シュガーベイブ)

モノの価格は需給のバランスで決まるので、そのバランスが極端に壊れているとき(例えば、物凄い流行が発生したときやその流行が廃れたとき)に極端なプライシングが行われます。

中古品市場というのは、そこら辺が実に分かり易くて、ブックオフに行くとかつてのベストセラーがゴミみたいな値段で並んでいますし、ShampooやTatooというような一時期はかなり売れたけど結局は人気が続かなかったようなガールズポップのアルバムもまた同じく、ディスクユニオンでゴミのような扱いを受けています。


逆に、The Beatlesのアルバムなどが良い例ですが、絶対的な評価を誇るバンドの作品の場合は、需要と供給のバランスが長期的に保たれているので、大規模なリイシュー(再発)でもない限り、中古市場でもかなり安定した金銭価値を維持しているものです。

CDを買うのは決まって中古盤屋、それも掘り出し物だけ、みたいな生活を長く続けた結果、一般的には人気の低い名盤を多く発見する幸運に恵まれました。その代わりに、名作・決定版と呼ばれるような作品を、幼いうちに自分の価値観の糧とすることを多少疎かにしてしまったかもしれません。


シュガーベイブの超有名なデビュー作である本作は、ディスクユニオンでも価格が2,000円を下ることはまずなく、一目置いてはおりましたが、手に入れたのは結局、いい年になってからでした。


シュガーベイブって中古盤が高いんですよ」


と不用意にこぼした私を


「その足でいますぐディスクユニオンに行って新品を買いましょう」


と鼓舞したのは、以前のレビューに登場した町田のギター店店長さんでした。鼓舞というより教育的指導といった趣。「名作を向こうに廻して、少しばかりの金子を惜しむとは何たることか」とのお気持ちだったのでしょう。 ご指導ありがとうございました。


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