We Are Little Barrie(Little Barrie)

今年も暮れましたね。そろそろユニコーンの『雪の降る町』を歌いたい、そんな季節。そんな2005年のニューカマー(死語?)の作品の中で個人的なぶっちぎりベスト*1が本作です。リリース前後からやけに評判が良かったですが、聴いてみたら評判のまんまでした。


まず楽器の音が素晴らしい。ギターのチョーキング1発にも、ベースのライン1本1本にも、ドラムスのキック1発にも惚れ惚れします。「普通は生では食えないのに生で食っても美味い」みたいな食べ物の話がありますが、それが音ならこんな音なのかもしれません。

そして曲と演奏がまた実に引きどころと押しどころを心得ておられる。「生でも食える天然素材を敢えて軽く炙ってみました」って感じでしょうか。

旨味が濃厚なので腹八分目で済ませても余韻が残りますし、味付けもアッサリなので腹一二分目ぐらいまで行っちゃっても胃もたれしません。


…とまあ我ながら鬱陶しい喩え話を書き散らしましたが、そんな戯言は忘れて本作をお愉しみになることをお勧めいたします。

実はこの手のバンドにしては不思議なぐらいに「ライブで観たい」という気持ちが起こらないことが印象的です。それは本作がシンプルな編成でのシンプルな演奏だけで作られているように見せかけておいて実はピンポイントで鋭い作りこみが行われているからではないかと思っています。

本作のプロデューサーがあのEdwyn Collinsであることを考えると、それも納得させられます。*2


それにしてもEdwynさん、病床から復活されたのでしょうか?是非是非、彼らの次回作でも小股の切れ上がったロッキンソウルミュージックを一つお願いしたい気持ちです。


WE ARE LITTLE BARRIE

WE ARE LITTLE BARRIE

*1:と言うより、唯一思い出せる。

*2:早速前言撤回するようだが、ライブ音源を聴いてみたところ渋くカッコよかった。6,000円払って観たいとは思わないが、観て嫌な思いだけはしないことは確か。この手の新人の1点ものに魅せられてライブ観てガッカリっていう経験も多いのでガードがやや固すぎた。反省。