"ジョイ・オブ・ペインティング"「神秘的な山」(ボブ・ロス)

中高生の頃、溜まり場だった友人宅で味付け海苔をつまみながらホケーっと観た番組がこうしてDVDになっているとは思いもしませんでした。

カドミウムイエロー、フタロブルー、クリムゾンレーキ、ヴァンダイキブラウンといった色の名前だけで敏感に反応してしまうようなコアなファンが実はけっこう居られるということなのでしょうか。


本シリーズはアフロのボブがものの30分程度で油絵1枚を書き上げていく様を本人の実況解説付で収めたものです。

絵画に疎い自分が言い切るのも何ですが、油絵とは絵の具を乾かしつつ描くのが通常らしいです。が、アフロのボブはそんな常識にはお構いナシ。妙な効果音を自ら差し挟みつつもガシガシ塗りたくっていきます。そして気がつくと1枚の絵画が出来ている。すげえボブ!マジック並みだ!


本作、実は「癒しアイテム」という裏の顔も持っています。その点では先にご紹介したコミック『バカ姉弟』に引けを取りません。


「一人だと淋しいので、(小動物を)もう一匹(絵に)入れてあげましょう」

「混ぜすぎないようにしてくださいね。はい、もういいでしょう」

「ここに小さな滝をつくりましょう」

「感じるままに描けばいいんです」

「わたしは大きなブラシを洗うのが大好きなんです」

「絵のなかではなんでもできるんです」


これらの言葉が醸し出す魅力に免じて「実は彼の絵が好きではない」という声はぜひ圧殺致しましょう。


さて、季節はまもなくクリスマス。場慣れのしないパーティなんぞに呼ばれた挙句、プレゼント交換などというシャラクサイことをやらされる羽目になり、ちょっとブルーなあなた。このDVDを買って行ってせめてもの抵抗を試みませんか?

ただし、そのせいであなたが気味悪がられることがあっても当Blogは免責でお願いします。

ちなみにアフロのボブも1995年に逝っているそうなので彼を責めることも出来ません。


R.I.P ボブ。