As Is Now(Paul Weller)

腕組んで立ってるだけで絵に為るオトコ、Weller先生の新譜です。

The Jamを結成したのが15歳。メジャーデビューしたのが19歳になる前。人気絶頂バンドの解散を新聞広告で宣言したのが24歳。嫌味なほどの自信と生き急ぎっぷりで尖がりきっていた当時のWeller先生ですが、先生、それ以降も止まりません。

Style Council*1では、黒人音楽への素養も備わっていることを見せ付け、またもやキャリアをリセット。ドサ回りから始めて、英国ロック界の大御所として若手の尊敬と羨望の眼差しを一身に集めるドンとしての完全復権を果たすに至らしめたソロ活動を経た Weller先生。

本作"As Is Now"では最早貫禄十分とも言える演奏と吼えっぷりを見せ付けておられます。


でもですね…。実は息子が「ゴス」らしいです。


U2のことを「聞くに堪えない」と事も無げにコキ下ろす一方で、「Marylin Mansonが大好き*2」という息子さんについて「あの音楽の趣味だけはどうにかならんもんか」と苦りきるWeller先生。

弾き方を教えてと息子にせがまれたPanteraの曲が思ったよりも難しくて、パニクりつつも一緒に演奏しちゃうCharさんとどっこいどっこいの素晴らしいエピソードですが、頭を抱えつつ「こればっかりはどうしようもないんだわ」とサジを投げるWeller先生の方が、強いて言えば私は好きです。

高田延彦だったら「お前、オトコだ」とWeller先生に★5つ*3進呈でしょう。


As Is Now

As Is Now

*1:これまたクールなバンド名。直訳すると「制服向上委員会」を彷彿とさせてしまう危険性も孕んではいますが…。

*2:日本のGacktも大好きらしい。

*3:本稿が元々掲載されていたmixiのレビューシステムの採点制度のこと。