Dead Spy Report(Craig Ross)

まだカッコよかった頃のLenny(Kravitz)の後ろには、こんもりしたアフロを揺らして愚直にビートを刻むドラマーのお姐さんと、これまたこんもりとしたドレッドヘアを振り乱してヴィンデージギターを掻き鳴らす若い衆が居て、凄く印象的でした。

彼等の佇まいはLennyの時代錯誤的なクールさをさらに馨しきものは確実ですから、貢献度は「大」と断言できますが、実際にLennyの音楽に製作から深く関わっていたのは後者のCraig Rossの方だけだったと思います*1

本作は彼が自分の名義で出した、今のところ唯一*2の作品です。*3 *4

Lenny Kravitzの右腕的ギター弾き」としての彼を求めると拍子抜けすること確実な音楽ですが、陳腐でも喩えるならば、「貧血気味のMarc Bolan」みたいなヴォーカルが心地よい、筋肉弛緩剤的な魅力を持つ名盤です。

最近のLennyの作品があまりにも酷いので*5、代わりにこの人がもう一度良い夢を見させてくれないかな、と、ふと逃避的になることがあります。


Dead Spy Report

Dead Spy Report

*1:あとはHenry Hirsch。

*2:他にあれば是非教えてください。

*3:◆追記◆約5年の時を経て、その事実に疑義が発生中。要するにLennyの横に居るCraig Rossではないかも・・・情報収集中ではあるが、この高度情報化社会においてすら、彼のプロフィール情報は非常にレア。※2010年9月に追記

*4:◆追記続報◆:本作を発表したCraig RossさんとLenny Kravitzの隣に居たCraig Rossさんは別人だと断定できる情報に到達致しました。何のことはない、本人のオフィシャルサイト。Lennyの横のCraig Ross知名度が高過ぎることとそっちのウェブサイトが開店休業中になっていることが目眩ましになってその存在にこれまで全く気付かなかった。これがインターネット万能時代の落とし穴か。※2010年9月に再追記

*5:僕の中では死んだことにしてあります。