Life Aquatic With Steve Zissou
久々に「欲しい」と思わされたサウンドトラックです。
冒頭から警告しておきますが、非常にくだらない映画です。その代わり、登場する海洋探検隊の皆さんのキャラクターと面子が「ストライクゾーン内」な「悪球打ち aka 岩鬼正美」な方々*1にとっては2塁打以上の長打コースは必至の作品です
要するにキッチュであればそれでヨシとする人間だと誤解されたくはないのですが、ディティールに本末転倒的に気配りが行き届いていると、その他の全てに無理があっても笑って許せてしまうことは否めません。
"Team Zissou*2"のユニフォームには好事家ならではの作り込み様が見て取られ、そのことだけで既に無防備に喜ばしい。
隊員が何気なく履いているスニーカーがAdidasとTeam ZissouのWネームだったりするのにも笑わされます。
そんなこんなでニヤニヤしながら映画を観ていると、とある団員が調査船のあちらこちらでポルトガル語で弾き語る唄が、全てDavid Bowieの名曲群で占められていることに気付きます。
こうなると、もう話の進行そっちのけで、次はどの曲を唄ってくれるのか、その点だけが気になって気になって、心ここにあらず状態に陥っているわけです。
他にも思いっきりチープな電子音楽が何の迷いも無く挿入されたり*3、Bill Murrayのアクションシーンに被さる名曲"Search and Destroy"がまた、何度も聞いているはずなのに、ハッとさせられるほどにカッコよかったり*4 で、非常に淡白な装いながらも、そんじょそこらのサントラとは同列に語ることは躊躇われるぐらいに閃きと手間の詰まった逸品なのであります。
Bowie本人によるオリジナル"Queen Bitch"も挿入されていて「さすがは本家」と唸らされるや否や、エンドロールではその"Queen Bitch"が脱力ポルトガル語弾き語りヴァージョンで垂れ流されます*5。
1枚のパッケージにしてしまうと、どうなるかはわかりませんが、★★★★★は堅いでしょう*6。早く買いに行こう。
The Life Aquatic with Steve Zissou
- アーティスト: Mark Mothersbaugh
- 出版社/メーカー: Hollywood Records
- 発売日: 2004/12/15
- メディア: CD
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