Paris, Texas(Ry Cooder)

このアルバムは映画のサウンドトラックなのですが、Ry Cooderのスライドギターが全面的に、静かに鳴っています。


話の筋そのものは「だからどうした」だとか「現実性に乏しい」と言ってしまえばそれまでのものとも取れますが、何やら引っ掛かるものがあって、結局は忘れられない映画です。

多くの人の目に印象的に映るのは、やはり風俗店でのマジックミラー越しの会話シーンではないかと思います。この会話はアルバムの中の1曲にそっくりそのまま入っています。


二人の会話には、映像がないにもかかわらず妙な求心力があって、このアルバムを聴く度についつい引き込まれます。そして忘れた頃に聞こえてくるRy Cooderの音楽は、まるでその場の空気に溶け入るようです。


Nastassja kinskiを「美しい」と取るか「男好きするだけ」と取るかで、この映画が楽しめるか否かがかなりハッキリと別れてしまうのではないかと思ったこともあります。後者のような人には是非一度は真剣に聞いてみて欲しいサウンドトラックです。声だけで充分に感じるところがあります。


Paris, Texas: Original Motion Picture Soundtrack

Paris, Texas: Original Motion Picture Soundtrack