私服刑事

ロックンローラー


その純然たる和風な響きから貴女は誰を思い浮かべますか?*1


矢沢永吉? 王道。
内田裕也? 或る意味王道。
大友耕平? 微妙に王道。
布袋寅泰? 本人的には王道。


尾藤イサオを思い浮かべた貴女・・・『夜もヒッパレ』毎週観てたりしませんでした?

最大公約数を考えてみると、つまりは”空気の読めない人”ということになるのではないでしょうか(そこが大友耕平が微妙たる所以でもある)。


唐突ですが、僕は高橋敏幸を思い出します。

その理由は彼のライブを観て頂ければ簡単にご理解頂けるかとも思いますが、アルバムも何枚か出てます。ただ、当初はアクが強すぎてツライと思います。僕も通しでアルバム1枚を聴けたためしがありません。


それでも魅惑的な高橋敏幸のロックンロールの世界への入り口としてはコンピレーションアルバム*2をオススメします。

その中でもオススメが本日の一品。
その名も私服デカ。


スペースシャワーというCS放送局が製作したものだったと思うのですが、スポーティな趣味性が暴発したようなトータルな作品となっています。

そもそも、ジャケットからして、Black Sabbathの名作"Paranoia"のパロディ。よくよく考えると、ドラクエを先取りしたような元ネタのヨーロピアンなセンスにも頭をひねらざるを得ませんが、倭人のパロディ感覚も捨てたものではございません。ナマハゲです。これ。

昨今、絶滅したとも思われる肉厚二枚組みケースに、肉厚ブックレットを収納。このブックレットの内容がまた、曲が収録されてもいないカジ・ヒデキのバイオグラフィとかで、ミエミエなウケ狙いなのにも関わらず、口元から漏れる微笑に敗北感を感じます。

昔話に出てくるような「インディーズ」のコンピにはこれに近いノリのものもあった気がします。曲間にオレオレ詐欺会話が挿入されるといったような趣のものです(世紀を越えて花咲きましたね)。

ただ、本作は根本的に気合が違います。マジでふざけてて、ふざけつつ真面目みたいな感じといえましょうか。実のところは笑えないような。


さて、高橋敏幸さん。DISC1の1曲目からいきなり10分近いロックンロールをかましてます。テーマは「音楽とお前の関係」。はっきり言って、これ1曲だけでも十分なので、彼の音楽を知って頂ければ幸です。ロックンロールとして。

当たり前ですが、他にもたくさん音楽が入ってます。オマケだと思って聴くとかなり得した気分になると思います。


私服刑事

私服刑事

*1:つまり、JohnとかKeithとかElvisとかは対象外

*2:オムニバスとかV.Aとか言われますが、要するに、色んな人の曲が入っているアルバム