Live in Houston 1981: The Escape Tour (Journey)

「神楽坂の頂点から向こう側(早稲田側)には 〜中略〜 名も知られぬままにのハイクオリティなサービスを提供し続ける経営体が多く、ハイエンド且つセレブリティ的な手前側(九段側)に勝るとも劣らない素晴らしい地域」であると以前に書きましたが、当該地域にまた一つ素晴らしい経営体が加わりました。

その名もOxi Studio(オキシ・スタジオ)。音楽の練習スタジオ*1です。


真新しいロビーの棚に立ち並ぶDVD。壁にJourneyのライヴが投影されております。


「Journeyが好きな人に悪人はいない」 と言った人が居たか居なかったかは知りませんが、ピチピチのスリムジーンズに白いスニーカーといった井出達で演奏するオッサンたちで構成されるこのJourneyというバンドのことを愛することのできる人間はとびきり優しい人間である、というのが私の個人的な信条です*2




※画像がJouneyからどんどん遠ざかっているのはご愛嬌とご看過頂きたい。


その光景からこのOxi Studioを営む男性の「人となり」については最初から信頼しておりました。彼は優しい人です。


Oxi Studioの壁にはJourneyの他にもStray CatsからMichael Jacksonまでライブ映像がプロジェクタで投影されております。しかも再生機はプレステ。

それらのDVD群の隣には「小さい会社の総務・経理基本マニュアル」的な本が。更にその隣には武村正義『小さくともキラリと光る国・日本』。新党さきがけの崇高なスピリットがOxi Studioに憑依することを願って止みませんが、同じ末路を辿ることだけはどうにか回避して頂きたいものです。


神田商会に適当な在庫が無くて」導入された、というあのAmpegのキャビネット。余りに素晴らしい音がしていて、うちのベーシスト「かとぅー君」が「自分の演奏が上手くなったのではないか」と独り言ちています。勘違いも甚だしく、バンドにとっては或る意味で迷惑だとすら言えますが、演奏者に優しいスタジオであることは間違いないものと思います。


素晴らしいスタジオ。地元のスタジオ。私も含めて弊バンド(エロひじき)、何ができるわけでもありませんが、心意気に共鳴し、米軍機の騒音で空気の澱んだヤンキータウン町田から、気取ったエスプリタウン神楽坂(の向こう側で実は江戸川橋の方が近い)にホームグラウンドを移転。Oxi Studioにてヴァイタルに活動していきたいと思っております。


さてそんなわけで「エロひじき」、相変わらず練習しております。


演奏中にドラムスのテンポがみるみる急降下。合わせてバンドの演奏もスローダウン。ようやっと1曲終了。ちょっとした間をおいて、ドラムス担当Kちゃんがいつもの小動物のような目をして一言。


「遅い?」(Kちゃん)


「だいぶ遅いよ」(その他のエロメンバー)


ロックバンドの演奏も或る程度こなれてくると、だんだんと演奏のテンポは上がってきて、ゆっくりと演奏する方が却って難しかったりするものですが、このバンドの場合は、いかんせん「こなれ」が徹底的に不足しているので、こういった現象が楽しめるのです。ド素人を集めてバンドを始める無謀さがあってこそ具現化する醍醐味だと言えましょう。

Kちゃんごめん。私があれこれ余計な入れ知恵をしたばかりに叩きながら悩んで、考えてるうちに手も足もスローダウンしてしまったんだね・・・。引き続き小動物のような目をして、


「もう一回やっていい?」


と言うKちゃん。

君はおなかが減っているのかもしれないよ・・・上のam/pmで何か買ってきなよ*3・・・

・・・と思ってたら、ヴォーカルNくんはバッグから「生絞り」を取り出して、おもむろに「プシっ」っとプルトップを開けている。

・・・Nくん、ここは町田のスタジオじゃないから一応、ロビーでやろう。ロビーで。

ロビーと言えば、ベーシストのかとぅ選手に事務連絡。練習前に早く着いたからといって、スタジオのロビーで淡麗・生500ml缶を2本空けるのはどうかと思います。スタジオのロビーは居酒屋ではありませんので。店についてそんな光景に出くわしたKちゃんは、知り合いだと気付かず、内心怖かったらしいですよ*4

その後、近くのもつ焼き屋で反省会。二階堂の一升瓶にバンド名を書き込んでおりましたら、二階堂の1升瓶が「エロ」だらけに。店員さんから「後で分かるようにお願いします」と泣きが入りました。いや、あれはあれで後からでも分かると思いますよ。むしろ、一人で行ったときに手が付け難いぐらい分かり易かったです*5


Oxi Studioの鏡に映る自分達の姿を見て「俺ら、バンドやってんだなぁ」っていまさら気付いたり、やればやるほどRamonesの魅力と偉業に感謝する始末。それで甘んじてはいけないような、という様な、ま、ヨシとするかという様な、そんな感じでユルユルと頑張ります。


・・・というわけでJourneyのメンバーならびに関係者の皆さん、そして検索してここに辿り着いた皆さん、Journeyと殆ど関係なくてごめんなさい。そして最後まで読んで頂けて有難うございました。



*1:ウェブサイトはこちら。練習スタジオが何たるかイメージが湧かない方については、町田の練習スタジオについて書いたものがあるのでそちらも参照願いたい。

*2:経験的な物言いの域を脱さないが「白いズック(それもリーボックが望ましい)を履いてる奴に悪い奴はいない」というテーゼを提唱したい。同様に「メタル好きに悪い奴はいない」というテーゼも自分的統計的に有意(嘘)。

*3:彼は練習中におにぎりを2個は食べる。彼からは後日「今日も叩いてます」というメールが届いた。おお、そんなに熱心に練習しているのか、と感激したのも束の間、続いて「シリを。ピシ。」と書いてあった。自分の尻でドラムス練習をしているのか、どこぞの女の尻を叩いているのかは分からんが、ともかくそれが8ビートの練習であることを祈るばかりだ。

*4:ちなみにOxi Studioの店主さんからは「ホットプレートで焼肉とかしなければOKです」という慈愛と忍耐に満ちた、いや、要するに自棄っぱちな御言葉を頂いた。

*5:スマン。全部飲んじゃった。「竹ちゃん」でビール奢るから許して。