ポストマン・ブルース（SABU）

思えば私は遠山景織子さんも好きでした。

『岸和田少年愚連隊』に出演されていた大河内奈々子さんから引き続いて、色んな意味で一本筋が通った嗜好だと個人的には信じていたのですが、気がついたら両者ともお昼のドロドロ・ジャパニーズ・ソープ・オペラでご活躍のようで。そういう「筋」だったのか…ハァ（溜息）。

そもそも実のところ、俳優さんの良し悪しを本当に見分ける審美眼なんぞワタクシには殆ど備わっちゃおりません。ややもすると映画の中でそれぞれの俳優さんが演じるキャラクターそのものの良し悪しが直接俳優さんの印象にかなり影響してしまっているのではないかと感じていることを、この際なので白状いたします。

例えば大杉漣さんに対して概して好印象を持てないことの原因は、大杉氏ご本人にあるのではなくて、大杉氏の出演する芝居を作る側の人間にあるのだと思っています。竹中直人さんの場合もそうですが、役者さんのパブリックイメージをあまりに安直に利用し過ぎているように思えてなりません。本作で間抜けな殺し屋ジョーを演じる大杉氏は大好きでした。

SABU監督でなくても結構ですので、どなたか、ガッチガチのパブリックイメージをものともせずに柴田恭兵に新しい顔を与えてくれる、真の意味でのクリエイターさんは居られないものでしょうか…。

正直、言いたいことはそれだけなのです。

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