Things to Make(Moloko)

カモン(Come on)だとかイエー(Yeah)だとかいう類の合いの手ってあります。慣れない御方がやると何ともトホホな情けないものとなってしまいますが、堂に入った御方が何気なく一発カマすと、それだけでそれはもう格好のよろしいものです。古くはElvis Presleyさんなんかはそんな合いの手シャウトの一発や二発で全米の女性達を欲情させたのでしょう。


そんな観点から最近感動を覚えたのがMOLOKOの歌い手、Roisin Murphy姐さんです。


実はmixiで初めて書いたレビューが本作の次回作にあたる"Statues"についてだった*1のですが、当時はそこまでMOLOKOのこともRoisin姐さんのことも知らずに、ただただ、見た目のインパクトについて書いておりました。

鎧を身に纏ったそのお姿で私の度肝を抜いた傾奇者Roisin姐さんですが、その後、あれやこれやと聴いてみると、お唄も非常にカブいてらっしゃることが分かるようになりました。


本作冒頭の"Pure Pleasure Seeker*2"からRoisin姐さんフル・スロットル。

バリトンサックスだかなんだか分かりませんが、ともかくCoolなリフに合わせて一見淡々と歌っているように見えますが、騙されてはいけません。一つ一つのお声に込められたテンションが半端ではありません。そして、ちょっとハスキーなお声で差し挟む合いの手がまた格好よろしい。


「カム・オォォォン!」


と煽り一発、オーディエンスの脳内ではアドレナリンが分泌され、おのずと拳も硬くなろうというものです。素晴らしい。これこそ歌手の仕業。


この冒頭の曲よりもむしろ有名な人気曲が収録される本作。"Statues"をご紹介した際のようないい加減な物言いではなく*3、満を持してご推奨申し上げます。


THINGS TO MAKE AND DO

THINGS TO MAKE AND DO

*1:こちらを参照されたい。

*2:しかし、なんつう素晴らしい曲名だ。

*3:大差ない気もするが。