I'm with You(Red Hot Chili Peppers)

amazonのレビューだったりtwitterだったりで、やっぱりJohn Fruscianteの穴は埋めきれないだとか、昔はあんなにハジけてたレッチリも落ち着いてしまったもんだといった不平不満を目にしますが、要するにレッチリだと思って全身が力んだ状態で本作を聴こうとするから違和感を覚えたりガッカリしたりするわけです。


John Fruscianteバカの皆さんが何と言おうと(むしろそれらの人々が不平不満を漏らせば漏らすほど)この新譜は良いと思います。

聴けば聴くほど良くなるので、発売から1週間も経っていないのに何周聞いたか分からない程です。


本作、先行シングルからして只事ではない、という予感を感じてはいたものの、本日、仕事しながら聴いてみて本作の本当の魅力に改めて開眼した次第です。


何のことはない。聴きやすくポップでありながらフッキー。

ポピュラー音楽にそれ以上の何を期待できましょう?

それでいて作業を邪魔しない。*1

いや、ホントに本作、まっこと素晴らしいアルバムですよ。


何はともあれ新任のJosh Klingofferさん。

ステージでペダルを踏みに慌てて小走りするその姿を見つけて、そのチャーミングさ*2に喜んでおりましたら、


「同じような奴を何年も前のロンドンでのPJ Harveyのステージでも見かけた」


と友人*3

果たして同じJoshさんでありました。

ペダルボードに駆け寄る姿でコネクト。人生には驚きがまだまだ沢山ある!と感嘆せざるを得ません。


本作での彼の仕事は、人に拠っては悪い意味で、人に拠っては*4良い意味で、John Fruscianteという巨大すぎる前任者の影を感じさせないと感じました。

Joshさんがどんな人間だかは存じ上げませんが、飛び込んだそのバンドは世界を股にかけるビッグフェイムバンド。世の中な期待はよもや「満塁」。誰にしたって相応以上に感じられるに違いない期待の高さと役割の過酷さに苛まれた瞬間は少なくないはずです*5


そこで放たれた本作。

前任者がかつて放った天覧試合でのサヨナラホームランではないのかもしれませんが、投手が「此処しかない」という高さとコースに渾身の力を込めて投げ込んだ勝負球を完璧に捉え右に流し打った走者一掃の三塁打なのだ、と、そう思わずには居られない佳作にして大名作になっていると、何回目だか分からずとも"Brendan's Death Song"をまた聴いているワタクシは信じて疑わないわけです。



I'm With You

I'm With You

*1:その素晴らしさに気づいて思わず感想をメモった。その時点で自分の仕事は邪魔されているわけだが。

*2:リンク先の動画の0:25ぐらいからの彼にご注目。カワ(・∀・)イイ!!。

*3:ワタクシは"Bicylce Thief"というユニコーンの曲名のようなバンドのギタリストとしてその名前を見知っていた。

*4:ワタクシはこっちのクチ。

*5:彼の境遇の辛さの何万分の一かは分かる心境なのだ。只今、個人的に。